Bitmain Jihan 訪問インタビュー(1/3)世界最大級のビットコインマイニング工場について

こんにちは、藤本真衣です。7月上旬、世界最大級のビットコイン採掘ファームを所有するBitmain社を訪問して、Jihanに1時間程のインタビューをするお時間を頂きました。Jihanはビットコインの主要マイニングプールであるAntpoolを運営する、Bitmain社の創業者です。

先週から日本の主要メディアでも8月1日にビットコインが分裂するかもしれないという報道がなされていますね。そもそもなぜこのような事態になっているかというと、ビットコインのスケーラビリティ問題を解決する為に様々な方法論を巡りビットコインの開発者やマイナーのコミュニティが分裂しているという事態に陥っているからです。Jihanはこの中でキーパーソンになっています。

追記
予断は許しませんが7月17日20時現在ではSegWit2xが88.2%の支持を得ており、これが80%以上あれば直近のフォークは回避できる可能性の方が高いです。

特に日本語においては、Jihanに関する生の情報が少ないと感じています。そのため、最初は編集して記事にしようとしたのですが、今回は彼のそのままの声を公開する方が意味があると思ったので、翻訳したそのままの文章を公開します。翻訳でき次第アップするので3回に分けて投稿します。


Team Japan:
今日はお時間をありがとう。昨日、私たちはマイニングファームを見学させてもらい会議の時間を持ちました。ここにいる人のうちの何人かは飛行機が遅れて参加できなかったんだけどね。 今日はみんな揃っているので、質門をしてもいいかな?

Jihan:
こちらこそお時間をありがとう。はい、どんな質問でもしてください。

Team Japan:
私は2年前にも工場を訪問して、当時もとても立派な工場で感銘を受けたんだけど、この2年間で改良されたところはどこ?

Jihan:
新しい工場はより採掘に特化しているよ。二階建てにもなったし。特に、エアフロー、湿度、電力において改良したから、より安くてコスト競争力が出てスピードも上がったよ。でも、電力効率においてはまだ改善できると思っていて、よかったら今日、それらの改善計画を取り入れた計画中の日本かアメリカでの採掘工場についても話したいと思っているんだ。

Team Japan:
スペース、電力、設備が整っている場所があればってこと?

Jihan:
そうですね。あと気流ですね。

Team Japan:
日本でも検討しているんだね?

Jihan:
はい。

Team Japan:
日本の電力は高いけど、ポイントは何?

Jihan:
わからないけど、日本にも良さそうなところがあるって耳にするよ。

Team Japan:
確か今は中国だけだよね?他に拡大する予定はあるの?

Jihan:
アイスランドとアメリカには既に設備をを持ってるよ。まだ小さいけど、次に展開するのはアメリカかな。


Team Japan:
どうやってビットコインマイニングを始めたのか教えて?

Jihan:
僕は2011年にビットコインのことを知ったんだ。2012年から株式投資をする為にビットコインを調達し始める人がたくさんいたんだよ。実際僕もそうだった。そして2013年には大量のビットコインを持っていたよ。2013年にパートナーのマックフリーと話をして、起業を決めたんだ。僕はビットコインのことをよく知っていたし、彼はチップのデザイン方法を知っていたから。彼は、中国で10年間働いていた日本人エンジニアから細かいスキルを教えてもらったんだ。すごく細かい作業だったよ。2013年末に初期版の採掘機を売り始めたから、起業してからたったの半年だったね。設計段階のあとはすごく速かった。市場はどんどん強いプレイヤーが入れ替わっていったけど、僕たちは市場の中で地位を獲得していった。なぜなら、他社の採掘機はよく停滞していたけど、僕たちの製品は安定していたから。設計が一番しっかりしていたからね。そのおかげで市場評価も高まって、顧客は僕たちから採掘機を購入し続けたんだ。2014年、2015年は、2月にフルカスタムチップデザインを始めたおかげで大きなターニングポイントになったよ。他の会社もこのスキルのチップを構築しようとしていたんだけど、僕たちにもできると思っていたからいろんな要素を集めて設計したんだ。だから今ではビットコイン市場で最大の採掘機の供給者になれたんだ。

Team Japan:
つまり最初から設計がよかったってことだね?

Jihan:
そうですね。

Team Japan:
採掘工場だけではなくて。

Jihan:
はい。

Team Japan:
その日本人の名前が知りたいな。

Jihan:
ごめんなさい、わからないや(笑)。パートナーの先生の名前だから覚えてない(笑)


Team Japan:
ジハン、君もいろいろ質問があるんじゃない?

Jihan:
うん、スケーリング、ブロックサイズ、UASF、UAHF。もし違う意見があれば参考にしたいんだ。是非聞かせてもらいたいんだ。

Team Japan:
貴方は、ビッグブロック派ですね。君はビットコインを一番よく知っている人だと思うんだけど、2、3年後のビジョンを聞かせてくれる?継続的に成長していくもの、そしてメインプレイヤーとしてどうやってエコシステム全体を発展させていくつもりなのか。

Jihan:
あなた達が、どのようにビットコインのことを理解しているかはわからないけど、一般的にビットコインには二つのポイントがあるんだ。一つ目は、ビットコインは便利で簡単な決済ができること。二つ目は、ビットコインは決済ネットワークだということ。この二つはなんていうか、片方だけでは不十分で、両方がとても大事な要素なんだ。どうしてビットコインを使うのかって言ったら、まずはこの経済の中でとても有効な決済手段だからでしょ?そしてどうしてビットコインが決済で使われるのかって言ったら、ビットコインは価値があると多くの人が納得しているからなんだ。だからこの二つの要素をを切り離すことは絶対にできないよ。みんながビットコインを買いまくれば、どんどん価格が上がるかっていったら、そうではない。ビットコインは有効的な決済ネットワークなんだ。そして同時に株式としても使えるよね。だから顧客も企業もサービスや製品のためにビットコインを考慮しているんだ。そういうわけで、この二つの要素はつながっていて切り離すことはできない。もし単独でしか理解していなかったら、それは絶対に間違っているよ。ちょうど今はビットコイン取引手数料はかなり高くて$2ぐらい。もしこれが続いたらビットコインの状況は悪化していくと思う。もしネットワーク料金が高額だったら、ビットコインで支払う人なんていないでしょ。それだけでなく、決済ネットワークの信頼も落ちるよね。システムが止まってしまったら、みんなビットコインを使うのをやめて他の何かにうつっていくよ。初めは資金調達もビットコインが主流だったけど、今はイーサリアムとかに替わっていってるし、もっといろんなプラットホームにも対応していくべきだよ。DELL、Microsoft・・・DELLは既にビットコイン決済を控えていて、ビットコインコミュニテイにとっては大ニュース。時価総額も落ちているけど、僕はこういう問題の最大の理由は、ビットコインの決済ネットワークにあると思う。今はかなり人為的な制限が多すぎる。
ビットコインをもっと使いやすくするためには、なるべく早く決済ネットワーク能力を拡大しないといけない。そうすれば株式としても使いやすくなって、マーケットシェアを獲得できる。そうでなければ、マーケットシェアは落ちると思うんだ。ちょっと話がそれるんだけど、例えば、この世界に存在するすべての財をUSドルに換算したら、いくらになるか知っている?USドルの総価値って知ってる?なんと約100兆ドル。もし不動産、株式、債券を全部集めたら、その価値は米ドルで100兆ドル分になるんだ。でもUSドルの価値が機能するのはドルが使える場所だけ。ビットコインのような仮想通貨だったらそういう地理的な制約がないから、米ドルよりも大きな価値が生まれるかもしれない。今の時価総額はまだ少額だけど、将来のために、僕たちはビットコインの健全な方法を構築していかないといけない。支配的なネットワークはビットコインの将来にとってかなり悪影響だよ。イーサリムやライトコインが話題になっているけど、これもビットコインにとってはちょっとまずいね。もっと簡単に利用できるようになれば巨大なビジネスもできて健全になっていくよ。でもビットコインのネットワーク決済が他に替わっていったら、将来は分散的で小さな存在になっちゃうだろうね。

Team Japan:
つまりかなり合理的ってことだね。私は最近ビッグブロックを受け入れた気がするんだけど、セグウイットアクティベイトファーストをすれば君はいつでもハードフォークが持てて議論が減るんじゃない?コアはセグウィットに満足するし、君もビッグブロックセグウィットに満足できるし。

Jihan:
僕たちは、香港アグリーメントにもニューヨークアグリーメントにも合意したよ。香港でセグウィットファーストに合意するべきだった。2016年初めに合意したから今月中(2017年7月)には実行されるはずなんだけど。でもいろんな理由が後から出てきてなぜか流れたんだよ。契約したならやり通さないといけないと思うよ。今回はセグウィットファーストを稼働させて、3か月後にブロックサイズを拡大させるよ。

Team Japan:
ニューヨークアグリーメントを実施するってことだね?

Jihan:
うん、協定の署名に対してはものすごく忠実だよ。

Team Japan:
ニューヨークアグリーメントに自信があるんだね?

Jihan:
ニューヨーク協定はまだちょっとリスクがあると思う。セグウィットファーストもビッグブロックもまだ途中だから。コストはコミュニテイに影響されるし、争議が多発する可能性もあるし。何が起こるか本当にわからないけど、おそらくビットコインの分岐点になるような気がしているよ。

Team Japan:
君が言ったことはかなり合理的だね。私たちはビットコインの価値と取引効率改善の両方に注力するべきだと思う。もし取引の効率を失ったら価値も落ちる。君の話すビジョンは明確だ。私たちがやるべきことは、実現可能な方法でビットコインをもう一度立て直すこと。メイク・ビットコイン・グレイト・アゲイン。いいビジョンや選択肢があるんだから。情熱的なビットコイナーとして、想定できる範囲で協定を実施しよう。どうして今日まで停滞していたんだろう。ニューヨークアグリーメント、セグウィット、BIP148、なんでもいいけど。いくつも選択肢があるのに。

Jihan:
ニューヨークアグリーメントがあったのは5月末。それってニューヨークが署名しなかったから2か月短いけど。合意は、中心的に貢献していてジェフに先導されている。改正案は既にあって、いくつもの企業がBIP91のテストに時間を割いている。BIP91が準備できれば、今月中だといいんだけど・・セグウィットファーストを来月アクティベイトできる。もし全てが上手くいったらね。

Team Japan:
ついにニューヨーク協定が動き出したね。

Jihan:
そうですね。

Team Japan:
セグウィットファーストのアクティベイトによるネットワークへの影響が懸念されるかも、セグウィットファーストは容量が大きいっていう弱点もあるから。


以上、インタビューの3分の1まで公開しました。随時公開していきます。

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