Mt. Gox(マウントゴックス)に関するその後の報道を受けて

先週世界中から注目を集めた Mark Karpales 氏の逮捕に関して、その後の報道をまとめます。

※先にはっきりさせておくと、自分は債権者という立場です。結構な金額でしたよ、ええ。

逮捕後、週末の間に徐々に情報が出てきました。

ハッキングの痕跡は無し

「外部からのハッキングの痕跡はほとんど確認できなかった」。運営会社MTGOX(東京・渋谷)の破綻後、任意で提出を受けたサーバーを解析した捜査関係者はこう話した。

消失したとされるコインの行方はMTGOXの破産管財人らが調査している。ビットコインは通常、取引履歴がネット上で公開されており、履歴をたどれば消失したコインの流出先へたどり着けるとみられていた。しかし同社は公開を拒んだ。

コミュニティーにも捜査協力を頼めば、こんなことはすぐにわかっていたことです。というか、公開しない時点でもう答えを言っていたようなものです。もしかして・・・?と思っていましたが、本当だったというオチです。

単独でシステムを操作できる不安定な環境

仮想通貨ビットコインが大量に消失したとされる事件で、コインや現金の残高が改ざんされた取引システムに接続できるのは、取引所運営会社社長のマルク・カルプレス容疑者(30)=私電磁的記録不正作出・同供用容疑で逮捕=だけだったことが2日、捜査関係者への取材で分かった。警視庁は同容疑者が単独でシステムを不正操作したとみて調べている。

誰にも知られず、ひとりですべてを操作できてしまう環境だったということです。

週明けに次々と報じられる実態

運営会社「MTGOX」の代表取締役マルク・カルプレス容疑者(30)が「システムを操作し、米ドル口座残高を変えたことがある」との趣旨の話をしていることが3日、関係者への取材で分かった。

「マウント・ゴックス」(東京都渋谷区、破産手続き中)を巡る口座データ改ざん事件で、顧客がビットコイン取引のために預けていた資金などを管理していた同社名義の銀行口座から、総額約11億円が関連会社などに送金されていたことが捜査関係者への取材で分かった。警視庁捜査2課は、同社社長のマルク・カルプレス容疑者(30)=私電磁的記録不正作出・同供用容疑で逮捕=が資金を不正流用した可能性もあるとみて、業務上横領容疑での立件も視野に裏付けを進める。

カルプレス社長がおととし2月以降も不正な操作を繰り返し、水増ししたドルは日本円にして合わせて数十億円に上ることが警視庁への取材で分かりました。
これまでの調べによりますと、マウントゴックスの取引履歴からカルプレス社長は、水増ししたのと同じ数十億円分のビットコインを購入していたということで、警視庁は大量のビットコインを購入した目的を調べています。

非を認め始めています。まだまだ追求すべきことは多岐にわたりますので、これからの操作の行方も注意して見ていきます。

事件の背景

「ほら、見てよ」。数年前、送金遅延などのクレーム対応に追われる従業員らを尻目に、カルプレス容疑者は会社の業務とは何の関係もない3Dプリンターを経費で購入。毎日マグカップを作っては自慢した。

マグカップ作ってる場合じゃねーよ!

会社で愛猫の自慢話はしても、会合はすっぽかす。元従業員は「自己顕示欲が強く、社交性ゼロ。社長の自覚もなく、興味のない仕事はしない。経営者以前に大人としてどうかと思った」と振り返る。

いや、さすがにちょっと言い過ぎじゃない?と思いましたが、元従業員にここまで言われるあたり、実際の姿が想像できます。

当時ビットコインの価値は上がり続けていたので、あとで何とかなるだろうと考えていたのでしょう。

多くのビットコインファンが、このようなどうしようもない人物に翻弄されていたかと思うと、悲しい限りです。ビットコインの盛り上がりが加速する一方で、ビットコイン関連サービスの選択肢が少なかったという当時の事情もありますが、自分も含めて多くの人がこの背景を見抜くことが出来ませんでした。

一番言いたいこと

この件があり、ビットコインや仮想・暗号通貨全体に対して悲観的な見方が世間には広がりました。ビットコインは危ない、というよくわからない反応が多くの人から返ってきたことをいまでもよく覚えています。

Mark Karpales 氏の言い訳を聞いたビットコインのコミュニティーでも、セキュリティーのリスクについて議論が起こりました。結果としては不正流出が問題の本質ではない、ということが明るみになりつつあるわけです。ビットコインの初期のファンをも含めて、多くの人に間違った情報を発信し、間違った印象を与えた Mark Karpales 氏の罪は事情に大きいと言いたいです。

やばいのはビットコインでもブロックチェーンでもなく、あるいは脆弱な取引所のシステムでもなく、Mark Karpales 氏でした。

誤解が解けて正しい姿が伝わることを願う

少なくとも日本国内では、非常にネガティブな印象が染み付いています。ニュースのタイトルも、ビットコインの全体像を理解していないと、ビットコインが悪いという捉え方をされかねないものが多くなっています。

信頼を回復するには、長い時間がかかりそうです。

しかし、他の国、他の地域では、前向きな方向でビットコインが加速しているのもまた事実です。ヨーロッパやアメリカの金融業界の反応がその良い例です。

今回の事件の中心地は日本でした。捜査も日本の警察が中心にすすめています。捜査に関する多くの情報も、日本語で発信されています。なので、ぜひともこの事件の実態を正確に世間に広めていただきたいと願っています。

マウントゴックスの後も、ビットコインは前進しています。仮想・暗号通貨の未来には、光がさしています。少なくとも自分は、そう確信しています。だからこそ、ビットコインが好きだし、これからもこの分野の行く末を正しく見て行きたいという気持ちに変わりはありません。

投稿者: Hiro

2013年にシンガポールでビットコインのトレードを開始。日本語の情報サイトが極端に少なかったため、ビットコインの解説や海外ニュースの紹介を日本語で行う場所として BitBiteCoin.com を設立。ブロックチェーン関連スタートアップ SIVIRA の共同創業者。複数のビットコイン関連メディアの管理人も務める。

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