資金調達で話題となった日本のビットコイン販売所 bitFlyer!その内情と誕生の背景

つい先日も、リクルート等からの資金調達を実施し、bitFlyer という会社が注目を集めました。

資金調達だけではなく、GMO ペイメントゲートウェイとの業務提携のニュースもあり、日本の企業とは思えない勢いで難しい市場を開拓しています。

この bitFlyer という会社には、以前から興味を持っていました。そして、より深く理解をしたいという思いが募り、代表取締役の加納裕三さんにお話を聞く機会をいただきました。

今回は、その内容をまとめて記事にしました。内部の写真も掲載しています。

これが、日本のビットコイン市場をリードする bitFlyer 誕生の背景と、事業の全容です。

経歴

代表取締役の加納さんは、外資系金融会社のゴールドマン・サックス出身です。テクノロジストとして経験を積んだ後、フランス系企業でトレーダーとして活躍されていました。その後、再びゴールドマン・サックスに戻り、トレーダーとしてさらなる経験を積まれてたそうです。

代表取締役 加納裕三さん
代表取締役 加納裕三さん

ビットコインに対する興味は、3〜4年前からあったとのことです。ビットコインの盛り上がりと、金融テクノロジーでの起業を考えていたタイミングとが重なり、同じくゴールドマン・サックス出身の小宮山さん(取締役 CTO)と、bitFlyer を立ちあげるに至ったということです。

金融系出身者が中心となって立ち上がった bitFlyer は、技術と金融が融合した会社になっています。ビットコイン市場を開拓するにふさわしい要素がそろった、非常に力のある会社が誕生しました。

事業の内容

bitFlyer は、ひとことで言うとビットコインの販売所。八百屋さんが野菜を売っているように、bitFlyer はビットコインを売っています。

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まずはじめに、bitFlyer の事業内容についてお話を聞きました。

bitFlyer は、ビットコインの売買を行う販売所です。顧客がビットコインを買ったり、あるいは所有しているビットコインを売ったりするための場を提供しています。取引価格は常に表示されており、透明性のある取引の場が作られています。販売所と取引所の違いについては、こちらの記事を参照してください。

ビットコインを金融資産として運用する目的がある取引所と異なり、販売所ではシンプルで透明性のある売買が可能です。これからビットコインをはじめたい人に対して、安心、安全なビットコインの販売所を提供するのが、bitFlyer の事業です。

一方で、投資のプロを対象にしたビットコインの取引所システムについても、公開に向けて準備をすすめているとのことでした。外資系金融会社で使われるレベルのシステムを予定しているそうです。

事業の展開

ビットコインの販売所からスタートした bitFyer ですが、購入したビットコインを利用できる場を増やすことにも力を入れています。

実際、GMO との提携が市場にインパクトを与えました。今後、eコマースサイトに対して、決済システムを提供してく予定があるとのことです。

その他にも、ビットコインの送金が1秒で実行できる bitWire や、ビットコインを使ったクラウドファンディングのサイト、fundFlyer などを提供しています。どれも、購入したビットコインの使い道を広げるという製品です。

ビットコインを使うことができる場面が、日本でも広がることを期待したいです。

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さらに加納さんは、「bitFlyer はすでに多くのビットコイン関連製品を開発している」と教えてくださいました。しかし、適法に運用し、ビットコインの信頼を獲得するために、関係機関との調整を慎重に進めているとのことでした。その背景には、日本価値記録事業者協議会の存在があります。

ビットコインの普及に向けた取り組み

bitFlyer は、ビットコインの販売だけではなく、ビットコインを社会に広げるという大きな課題にも挑んでいます。

加納さんを中心としたメンバーで、日本価値記録事業者協会を立ちあげ、ビットコインの普及に向けた社会環境の整備に務めています。

ビットコイン関連ビジネスは、なんでもありの無法地帯にもなり得ます。それに対して日本価値記録事業者協議会は、やるべき事とそうでない事の線引を行い、社会に還元できる価値を最大化するという重要なミッションを進めています。

顧客の満足度を上げ、尚且つ適法であるためには、利害関係者との調整が欠かせません。

具体的には、関係各省とのコネクションづくりや、金融機関、警視庁等との積極的な情報交換を主導し、良好な環境構築を進めています。外資系金融会社の厳しいコンプライアンスの中で培ったノウハウを活かし、日本におけるルールづくりを構築しているのです。

オフィスの風景

明るいオフィス
明るいオフィス

ビットコイン関連の製品を次々と生み出す bitFlyer の内部についても、お話を伺いました。

オフィスは、内装がおしゃれな上に、ドリンク飲み放題でお菓子も食べ放題という、魅力的な環境です。

しかし、1日8時間以上は働くことができないそうです。だらだら仕事をしていても効率が上がらないため、集中して仕事ができる環境を意識しているそうです。就業時間は、午前10時〜午後5時をコアタイムとしたフレックス制です。カスタマーサポートの部署など例外はあるそうですが、時間的にも非常に働きやすい環境を意識されていました。

bitFlyer の悩み

勢いのある bitFlyer ですが、実は悩みがあると、加納さんは打ち明けてくれました。

当初の想定よりも早い成長をしているので、せっかく立ちあげたオフィスがすぐに狭くなってしまうという問題に直面しているそうです。

また、大きなミッションを掲げて製品開発を行っているため、慢性的に人材が不足しているという問題もあるとのことでした。腕に自信のある開発者は、採用ページから応募して欲しいとのことです。

採用は慎重に進めているそうですが、実力主義の職場環境になっており非常に働きやすい環境だと感じました。ストック・オプション制度もあるため、魅力を感じた方はぜひとも挑戦してみてください。

青空に映える素敵なビル
青空に映える素敵なビル

これからのビットコイン

ビットコインには、安全性という需要なキーワードが付きまといます。便利であると同時に、利用者が安心できるものでないと成り立ちません。

今回、bitFlyer が取り組んでいる技術的な取り組みについても、お話を聞くことが出来ました。一技術者としての興味もあり、bitFlyer のシステム設計や、サーバー側のセキュリティー対策など、深く突っ込んだ事をお聞きしました。

話せる範囲が限定されるため、加納さんにとっては話しにくい話題だったと思います。それでも、安全性に対する確固たる考えと、その実装・運用方針について教えていただきました。

正直、想像以上のシステムが稼働していました。将来的な規模の拡大も想定し、作り込まれたシステムでした。

いま、ビットコイン関連のビジネスを始める敷居は、非常に高くなっています。取り扱っている分野が、趣味や娯楽の範囲ではなく、生活に密着した金融の世界だからです。要求される高いレベルの安全性を実現するには、経験と、幅広い利害関係者との調整が欠かせません。bitFlyer には、それらを満たす経験と実績、そしてアクションがそろっていました。

今回の資金調達も含め、bitFlyer には様々な強みがあります。それらを最大限に活かした取り組みを聞くだけで、期待に夢が膨らみます。もちろん、次々と実現していく姿は容易に想像できました。今後も、目が離せません。

加納さん、そして bitFlyer のみなさん、ありがとうございました。

投稿者: Hiro

2013年にシンガポールでビットコインのトレードを開始。日本語の情報サイトが極端に少なかったため、ビットコインの解説や海外ニュースの紹介を日本語で行う場所として BitBiteCoin.com を設立。ブロックチェーン関連スタートアップ SIVIRA の共同創業者。複数のビットコイン関連メディアの管理人も務める。

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